一昨日体操教室からの帰り道、交通事故を目撃した。
午後4時頃、お買い物の時間帯。
住宅地を抜けるバス通りを走っていると
反対車線のバス停にバスが停車していて、前を走るワンボックスが
バスとすれ違うところだった。バスから降りたらしい小学校3、4年くらいの
男の子がバスの影から飛び出してきてワンボックスとぶつかった。
一瞬の出来事だった。
ワンボックスは急ブレーキをかけたものの男の子は
横から突っ込んでくる形で車にぶつかって転んだ。
私もすぐブレーキを踏んで停車。
思わずミラーを見たけど迫り来る後続車はいなくてほっ。
男の子はすぐに立ち上がり、私の車の前をそのまま反対車線まで
勢いで歩いたが電柱の麓にしゃがんで泣き出した。
ワンボックスの運転手は驚いておりてきて、
集まってきた周囲の通行人と共に
どうやら救急車を呼んでいるらしい。
道は狭く、車は止めておけない。あっという間に渋滞に
なってしまった。ワンボックスは少し先に
ハザードを出して止まり、私も車を動かさないといけない。
事故の場面を見たのは私だけの可能性もある。
後ろの座席でQたろはぐっすり寝ている。パーキングに
入れて戻ってくるわけにもいかないし、
うーん。
一旦車をまわして戻ってくると、当事者の車とバスは止まったままで、
バス会社の対応係とおぼしき人が男の子の家に連絡を取っていた。
近所のおじさんが案内してくれた場所に車を止めて待っていると
バス会社の人がやってきた。バスの乗降客が事故にあったときは
救護義務があり、バスはその場にとどまらなければならないらしい。
乗客は次のバスが乗せていったのだろうか。
運転手も事故を認めているから
おそらく問題ないだろうということだったけど
いちおう連絡先と名前を残して帰ってきた。
あの一瞬。凍りつくような気持ちだった。
あと数秒早かったら、確実に男の子は跳ね飛ばされていただろう。
であれば命に関わっていたかもしれない。
そしてそれが私が運転する車だったかもしれないのだ。
バスの影から飛び出してはいけない。
おそらく彼の10年ほどの人生の中で耳にタコができるぐらい
聞いている交通安全の注意だと思う。
絵に描いたような情景だった。
それでも、起こるのだ。子供は不用意に飛び出すのだ。
たまたま今まで対向車線に車がいなかっただけなのだ。
ちょうど出発するときに、救急車が到着。
さらに「お母さんが来たよ!」と
そばに付いて子供を励ましている人の声が聞こえた。
走ってくる姿がちらっと見えた。
あの人はどんな気持ちで電話を受けたことだろう。
取り返しのつかない事故ではなくて本当に良かった。
そしてこれは他人事じゃない。
ドライバーとしても、子供を持つ母親としても。
男の子は、車にぶつかった恐怖と痛みで発した言葉が
「お母さんに会いたい」だった。
そう繰り返ししゃくりあげながらながら、ずーっと泣いていた。
車から離れられるなら抱っこしてあげたかったわ。
大丈夫だよ、お母さんすぐ来るよと言ってあげるだけでも
少しは安心したかもしれない。
だってねぇ周囲の大人達は事故対応に忙しくて、
ケガをした子供が地べたに座ったままなのを
忘れているみたいだったもんね。
お母さんに会えて良かったね。
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