11/4(火)に区の歯科検診があった。
区役所の保健センターで行われるもので、住んでいる区では1歳半から半年ごとに案内が来る。
朝、でる前に歯磨きしてから行くのだが、歯科衛生士さんが赤い液を塗って
磨き残しを指摘して、またそこで歯磨きをする。
さらに次に衛生士さんがデモンストレーションのようにやって見せてくれるため
子供にとってその朝だけで3回歯磨きしなくてはならないので、ちょっと不憫な朝だ。
が、今日は自分がやってみせるところまでで
「よくできてますよ~これからもがんばりましょう」で終わり、一回分減った。ほっ。
まぁそれもこれも、日頃ひっくり返される度に
「やーやー!(いやという意味)はみがきしないいいい!」
と暴れるのに、最後まで神妙にして口を「あーん」していてくれたからであり
毎日ぜんぜんこんなにうまくいってない。格闘の日々である。
しかし喜びもつかの間。
歯科医による歯のチェックで、歯の表面が少し白っぽくなってきているから
注意しましょうと指導があった。
おやつはあげていますか?
いや、おやつはほとんどあげていない。
思い当たる節は、ジュースだ。欲しがるとあまり気にせず与えていた。
ただ、これまでの健診(区と保育園で3ヶ月に一度)で何も言われなかったため
歯の状態が悪いなんて考えたこともなかった。
よくない状態になりつつあると知り、フッ素を塗布するとある程度虫歯予防に
有効とのことなので、次の週に予約を入れた。
11/12(水)の朝行くと、予約一人につき20分~30分かけて
歯磨き指導、歯のクリーニング、フッ素塗布をやってくれる。
前回の歯科検診では号泣していたQたろうも、今回はやさしいお姉さんだったせいか
クリーニングもフッ素塗布も泣かずに我慢していた。えらい。
ところが。下の前歯の歯茎が少しおかしいですね、とおっしゃる。
そういわれてみれば、一本だけ歯茎が少しへこんでいる。
「ぶつけちゃったのかしらね」と言いながら、歯を指で少し押してみると
「あら、少し動くみたいね」ええ??
もう一人のベテランらしき人が見にきてくれて、やはりこの前歯は
おかしいということになった。
ちゃんとしたところで診てもらったほうがいいということで紹介された
大学病院の小児歯科に、次の朝さっそく予約を入れた。
11/13(水)
少々道に迷いながらも病院の歯科に到着。
寒い冬晴れの朝で、環七のちょっと開けたところから富士山がきれいに見えている。
てっぺんは雪をかぶって真っ白だ。タクシーの運転手さんが、「今年初めてですよ」と
言っていた。
受付を済ませて小児歯科の階へ。
チェックしてもらった後、ここでも歯磨きを指導してもらいつつ
歯の状態をみてもらうと、やはりぐらついている。
診察台で神妙に歯ブラシしてもらっているが、えらい。泣かないでいる。
しかしQたろが我慢できたのはここまでだった。
その後レントゲンを撮りに行ったが、これは号泣。
ガードのための重いエプロンをさせらて仰向けに寝かされ
トイレットペーパーの筒のようなカメラが迫ってくるのが恐ろしかったのらしい。
撮影後、再度小児歯科へ。写真を見ながらの説明によると
どうやら、下の前歯の骨がうまく形成されていないということが判明した。
原因は、転んだか何かの際にぶつけた衝撃によるものらしい。
先生曰く、「見落とすことが多いんです。
子供はよく泣きますからどれが何かわからないことが多いんですよ。
特に歯茎などの場合は血が出なければ大人にはわかりませんから」
そして痛みが去ってしまえば、何事もなく過ごしてしまうことになり
見た目だけではわからないため、歯科検診では見過ごされてしまうのだそうだ。
それが今回、フッ素塗布をお願いしたことで見つけてもらったのは幸運だったと言える。
しかし、事態はよろしくない。
歯がいつ抜けてもおかしくない深刻な状態だ。
これなら、虫歯ですと言われたほうがいくらかマシというものだ。
がっくりとショックと動揺を隠しきれない私に
先生は「乳歯の、しかも今のうちに分かったのは良かったですよ。」と励ましてくれる。
もしかしたら永久歯の生え替わりの時に改善されるかもしれない。
でも8年後ぐらいのことだけど。
処置として、その危険箇所のみボンドのようなものでコーティングして、
様子を見ることになった。
日頃の注意として、お肉のような固い食べ物を引きちぎることはさせないこと、
衝撃をなるべく与えないことなど指導があるが、しかし根本的な治療はないらしい。
もちろんノリを塗って乾くまで、号泣だったのは言うまでもない・・・
ボンドが焼けるようないやぁ~な匂いだし、何されるかわからないし、
痛くないけど泣いちゃうよねぇ。塗った後乾くまでそのまま口を開けさせられて
待たなければならない。これがまた長い。
7分間。カップヌードルだってのびちゃうよぉ。
ようやく終了のピピピが鳴り、抱き上げるとものすごい汗だった。
良くできましたのシールをお姉さんからもらい、
一週間後に再診の予約を入れてもらった。
再診の20日(木)。
2度目の検診に行ってきた。
別の男の先生だった。治療の方向性が決まってくるまでいろんな先生に
コロコロ変わります、とは前回の先生に言われていたので特に気にしなかったのだが
やはり、子供にとって「おじさま」って結構鬼門だったりする。
それだけではないだろうけれど、もう診察台に寝かせられただけで
泣き出してしまった。そらそーだよね。前回の記憶がよみがえるよね・・・
この一週間の間に、ノリが少し剥がれてしまったが、
肝心な部分には残っているからあまり問題ないと言われる。
歯の表面に付着した汚れを落とす処置をしてもらい、すっきり。
次回は二週間後で約束をして帰ってきた。
しかし次の日、朝ご飯を食べているとき
「とれちゃったよ」と言って見せてくれた指先を見ると、ノリの固まり。
あらら、全部取れてしまったのだ。
予約は二週間後だし、念のため小児歯科に電話を入れると
次の日の土曜日に来てくれということで、今日はお父さんも一緒に
行ってきた。初診の時の先生である。
ノリが取れるのは別に大丈夫ですよ、わざわざ来なくて良かったのに。といわれる。
自然に取れるものだとは聞いてなかったから電話で確認したつもりだったけど。
まぁ、その時に来なくていいと言われてもいずれにしても心配で来ていただろう。
ノリ自体はそれほど強く固定するものではないから、「おまじない」のような
ものだ。それでなくても日々成長する子供のこと、長く固めておくわけには
いかない。逆にノリが気になって指で剥がそうとしてしまう子もいるということで
歯に刺激を与えてしまい、かえって逆効果になることもあるらしい。
「どうしますか?」と聞かれても、素人にはわからんよ先生。
とりあえず、おまじないでも無いよりマシだろうということで、
もう一度ノリ付けをお願いした。乾かす時間が終わる頃
「前回は裏にもがっつり付けましたけど今回は表だけ薄めに付けておきました。
気にするようだと良くありませんから。」
と、号泣する子供を押さえながら説明がある。
むむ。そういう方針は塗る前に言うべきではないだろうか。
同じ10分我慢させるなら、私はがっつり付けてもらいたかった。
確かに気ににならない程度にして固定できるならそれに越したことはないけど。
ノリを付ける処置だけしてもらい病院を出る。
この日も冷え込みの強いスカっと晴れた朝だった。
先日よりも空が青く澄み渡り、さらに富士山の雪がまぶしく美しい。
朝ご飯にミスタードーナツに入り、富士山の見える席に陣取る。
甘いものが苦手な私は飲茶の汁麺とソーセージパイ、お父さんは甘いドーナツ。
Qたろはドーナツには見向きもせず、「これたべる!」と、麺にとりかかる。
一人でどんぶり一杯全部平らげてしまった。
しかし、かわいそうなことになってしまった。
本当に申し訳ない。元気に食べる様子を見ながら心でわびる。
こんなことなら、激しく転んだと思ったときにちゃんと歯科医を受診するべきだった。
今となっては遅いけど、そのときにちゃんと診てもらう機会を与えていれば
もう少し改善されていたかもしれないと思うと悔やまれる。
しかし今さら悔やんでも仕方がない。
今できることは、できる限り今の歯を保護していくことだ。
そして、ノリはその日のうちに取れてしまった。ガクリ・・
一つだけ、光が見えてきた(?)のは日頃の歯磨きだ。
この歯科騒動で、すっかり普段の歯磨きがスムーズになった。
「これやらないと、歯医者さんで大変な思いすることになるんだよ!
歯が抜けちゃったらずーっとおまえが困るんだよ!」というと
私の気迫が伝わるのか、神妙に歯磨きさせてくれるようになった。
ようは、その気迫が足りなかったのだな(笑)