Patterns in Network Architecture
A Return to Fundamentals
John Day
Prentice Hall 2007
階層化、名前とアドレシングなど、過去のネットワークやプロトコルデザインに関する議論を振りかえりながら、問題の本質を考えようとする試み。 正しい抽象化として、リカーシブな階層化と、各層に閉じたアドレシングやフローコントロールのモデルを提案し、このモデルをベースにすればマルチホーミング、モビリティ、マルチキャストなどもより簡潔になるとしている。
ひさびさに読んで勉強になったと思った技術本である。
ここまで一貫して抽象化の重要性にこだわって書かれたネットワーク本は他にないだろう。
OSバックグラウンドの自分には、なるほどと納得ができる部分が多い。
一方で、抽象論で終わっていて、具体的なシステムの提案がないので、読後に消化不良を感じる。 また、思想論や現状のネットワーク研究やIETFへの批判があちこちに出てきて、決して読みやすい本ではない。
このモデルをベースに設計された実動するシステムが出てくるのが楽しみだ。