Norman本の中で見つけた話題。
リスク補償(risk compensation)とは、人間は安全性が高まったと感じると、よりリスクを取るように行動を変える傾向があるという理論。例えば、ABS付きの自動車に乗ると、走行スピードを上げる傾向があるというもの。
リスク恒常性(risk homeostasis)は、この考えの極論で、Gerald Wildeは安全対策をしてもその分危険な行動が増えるため全体の事故率は変わらないとして大きな波紋を呼んだ。
ポイントは、統計的に事故率をみると、技術面からだけの安全対策は期待したほどの効果がない場合が多く、それに対して、人間心理を考え注意喚起するような対策の方が効果的だということだろう。
Shared spaceは、このような考えのもとに、人が集まる公共の場所では信号や標識や歩道もなくし、道路利用者が自然と自覚と責任を持って行動するようにすることで、交通をスムーズにして事故を減らすというアプローチで、世界中で試みがなされていて成功しているらしい。(ヨーロッパのshared spaceプロジェクト)
インターネットの安全な利用やトラフィック増大への対策も、技術面だけでなく、このような考え方でアプローチするのがいい気がする。
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